哺乳類の進化における重要な時期と時を同じくして大気中の酸素量が増加していたという。このことから酸素の増加によって哺乳類の多様性が広がり、大型化していった可能性が示唆された。Paul Falkowskiらは、古代の堆積物から採取した炭素と硫黄のアイソトープを分析し、過去2億500万年に渡る大気中の酸素濃度を再現した。彼らは、超大陸パンゲアが小さな大陸に分裂し大西洋海盆が開くに伴い、酸素濃度がほぼ2倍になったことを発見した。大陸縁辺沿いに生息する植物プランクトンの進化によって、海洋堆積物中の有機物質量が大幅に増加し、最終的には大気中に放出される酸素量の増加に至った。また、今回の結果から、ジュラ紀(約2億〜1億4500万年前)と始新世初期(約5500万〜4000万年前)の間に比較的急速な酸素濃度の変化があったことも確認された。著者らは、鳥類・哺乳類の代謝には爬虫類と比較してかなりたくさんの酸素が必要であり、また、有胎盤哺乳類の多様化が起こった時期は大気中の酸素濃度が高濃度に安定している時期と一致すると述べている。白亜紀-第三紀境界に起こった大量絶滅によって哺乳類が台頭する環境が整ったが、大気中の酸素濃度もまた同プロセスに役立った可能性を著者らは指摘している。

 戦争が文明を進化させたのだ…という暴論を否定する証左にはならないか?!
…ならないか。