外界から隔離されたアマゾンの先住民、Mundurukuu族の子供・成人は、幾何学の概念を表す言葉を持たないにもかかわらず、幾何学の様々な概念を理解し使用することができるという。今回の研究から、心理学者や哲学者の間で議論されてきた、「言語は思考にどのような影響を及ぼすか」という問題に対する新たな証拠を得ることができた。また、幾何学の概念的原理は、たとえMunduruku族が幾何学用語や概念を持たなくても、頭の中に生得的に存在していることも示唆された。Munduruku族では子供も成人も平行線や直角三角形といった概念を良く理解しており、教育を受けた米国成人よりはやや劣るものの、米国の子供とは同程度に、紙上に図で表された幾何学的関係を利用して隠れた物の位置を特定することができた。これらの結果から、学校教育や図形・地図を使った経験がなくても、また多数の幾何学用語を知らなくても、幾何学的直感というものが存在することを証明できたと著者らは記している。

 なにこれ…発見?!